太宰治。。。生誕100周年。。井上ヒサシさん。。

6月22日 NHK.クローズアップ日本。「太宰治

様々な魅力が語られる太宰文学。。
井上ヒサシさんがゲストで 語っていらっしゃいました。
一部ですが。。

自分(太宰)は、こう言う風に小説を書こうと。
自分は ただただ本流の(本当の)小説を書きたいだけだ。。」と。
「では本流とは。。筋書きだよ。面白い筋書きだよ。
弱くて優しい人間が 面白い筋書きの中で、のたうち回りながらも
イキイキとはねる。。小説だよ
。」

これが太宰がいう理想だよって。
自分で言って 自分で実現した。


太宰は生い立ちから口から耳へ。。口承文芸を身につける。。

その後。近代散文と出会う。。これは分析力と経済性。
近代散文は口承文芸と対照的なもの。
大抵の作家はここでまともにぶつかって理解や表現を抑えて。。
近代散文の分析力と経済性に獲得しようとする。。

ところが太宰だけは。。近代散文の分析力と経済性を飲み込んでしまう。
独特の太宰の分析力と経済性もあるのに 面白さもあるという。。
読者が目の前で見て居るような表現に引き込まれる。



ある犯人と同じような死を考えた文章を比べて。。
死を考えたものでも。。太宰の文章の中には光や希望がある。。



こんなダメなやつが居る。。多分自分のこと。そう書くけれども表現が面白く。。読み手が若くても歳を取っていても 自分の苦しみと重ねて思え、筋書きが面白いのでどんどん読む。


太宰の小説の面白さは凄くて、いきなり「掴み」という部分で 読者はしっかりつかまれてしまう。


昭和19年。「ひとつの約束」というでエッセイで。。
魯迅の言葉を聞きながら。。
凶悪犯が嵐の日に お金も 着る物も。。食べるものを取ってやろうと。。
灯台に逃げてくる。

そこには灯台守りの。。貧しくともあたたかな親子3人の団らんがあった。。
凶悪犯が。。これは壊してはいけない。。と思った瞬間。。
波にさらわれてしまう。

作家はこの凶悪犯の中に宿った小さな宝石を誰かが書かなくてはいけない。
どんな人の中にも宝石があって。。それを作家は書かなくてはいけない。


素晴らしい日本語で書かれてますから。。
若い人が。。人間捨てたもんじゃねえ。。ってことですよね。
どんな人にも小さな宝石があると解って。。
生きる力。。日本語の美しさを感じる。

日本人でよかったなと思えるのは。太宰を読んでるときです。。
例えば。。

日本語で太宰の文章が読める幸せ。
日本人であることを幸せに思える。

イギリス人にあるだろう シェイクスピアをそのまま読める幸せ。
日本人にはシェイクスピアの文章。。ホントの良さは解んないでしょ。。と同じ。
書いたままの日本語を読める幸せ。


作家として小さな宝石を見つけて表現していく。。
人間のダメなところ。。
素晴らしい日本語で書かれている。。


司会者:表現者として100年経った今でも。。古く感じられないというのは理想ですね。

井上さん:人間の本当の気持ちを書いているから。。
人の弱さ。強さ。優しさ ダメさ素晴らしい日本語で書かれている。
コレは日本語がある限り。。人がある限り。。読まれていくものだと思います。〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

今年。。沢山の
太宰治の作品が 映画化されますね。。


映画『パンドラの匣』10月よりテアトル新宿ほかにて全国公開
冨永昌敬監督、染谷将太川上未映子主演 窪塚洋介仲里依紗染谷将太川上未映子
http://www.pandoranohako.com/


映画「人間失格
生田斗真 伊勢谷友介
人間失格 : 角川映画

映画『斜陽』(5月公開)カエルカフェ配給
秋原正俊監督、佐藤江梨子主演 温水洋一
太宰治生誕100年記念 映画「斜陽」

映画『ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ』(秋公開)
根岸吉太郎監督、松たか子浅野忠信主演
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