宇宙でいちばん速い時計。。

ベテランの男の方。。松方さん。。萩原さん。。蜷川さん。。中尾彬さん。。そして白井晃さん。。に気に入って貰えるようなところがある旬君で。。

旬君がVariety Japanのロングインタビューで、
http://d.hatena.ne.jp/sanahanna/20090707/p2

「蜷川さんとの出会いもむちゃくちゃ大きいけれど、実際、舞台との最初の衝撃的な出合いは白井さん


感謝のレベルに大きさはないとおもうけれど、一番の感謝は白井さんと共演した浅野和之さん。いろんなものを頂いたので

そのお二人との舞台。「宇宙でいちばん速い時計」。
何度も話題にした作品ですが。。この雑誌からは初めてかも。。

***演劇ぶっく2003年より。。***。。


:立ち稽古に入る前に勉強会を開いたそうですね。。

白井晃“テキストレジュメ”と言って、一つ一つの言葉を皆で検証する作業を10日ほどやりました。

鈴木一真あれはスゴイ役に立ちましたね。僕は去年のリーディングでこの芝居に一度取り組んだんですけど、その時は本の謎を解けないまま本番を迎えてしまったんです。だから今回も不安だったんですけど、勉強会をすることで、台詞の意味を全て理解した上で演技に取り組むことができました。だから本番までに不安はなくなってましたね。。
何気に笑える芝居だっていうのも分かったし。

白井そうそう。これは笑える芝居なんだよね。小栗君のフォックストロット役なんて特に。

小栗でも僕、正直、初日やるまでこんなに笑われるキャラだと思ってませんでした。僕としては、あくまで紳士的に登場して、って考えてたのに。初日、舞台に上がったとたん笑われた。(笑)
まあ。そりゃあそうなんですよね。。草村さんが演じていた、チータ・ビーの持ってるレバーの生肉を見て、
「それ、あなたの(クーガへの)プレゼントですか?」なんて聞くんだから・・・。そんなフォックストロットの滑稽な一面を初日に感じてから、役としてジャンプアップ出来たと思います。

白井本当に初日の小栗君は感動的だった。袖で見てて、「あ。今、小栗君が分かってる。」って伝わってきたからね。(笑)。
あの初日のお客さんの前で、フォックストロット・ダーリンという彼が生まれたんだと思う。。

本当は30歳なのに19歳だと言い張るクーガーも滑稽な男。ただそれが嫌味に見える恐れもある役ですよね。

鈴木うん。。でも僕は嫌なヤツに見えてもいいやと思ってやってました。
ただクーガは本当に滑稽なくらい自分のことが好きだから、そこでお客さんに笑って貰えれば嬉しいなと。あとは客観的に見て、リーディングの時よりも「傲慢な男」として演じてました。

だから、最後に言う、「愛」という言葉が、去年のリーディングと違った印象だったんですね。

鈴木リーディングの時には「自分の行いを反省してる。でも、本当は愛が欲しい。!」って気持ちであの言葉を吐いていたんですよ。。
でも、今回はそこに傲慢さをプラスした。だから、クーガは、「愛」って言った後に、目の前のケーキにかぶりつくんです。ね、凄い傲慢でしょ。

白井あんな暴力沙汰を起こした後に、その場の象徴だったケーキを食べる。多分クーガはほとんど無の状態なんでしょうね。そんな中で「愛」って言葉が出てくるわけですから。これはすごい重みのある台詞ですよ。

二幕の喧嘩のシーンは、本当に白井さんの芝居とは思えないほど血みどろでした(笑)。 

白井あれねえ。。最初に稽古したときなんて、スタッフが「うゎっ、イヤ〜」って顔して見てて(笑)。まぁ。確かに僕も見てて痛かったですけど。でも、それが登場人物の心の痛みだから。それぐらいやらないと意味がないと思ったんです。動作を付けてくれた、殺陣の先生も凄かったですからね。
「もっと!もっと蹴りあげろ!ガーン、ゴーン、ドーン、バーン!」って。

小栗(笑)「ただ中身は常にクールで」って白井さん言ってましたよね。じゃないと絶対にケガするし、ひとつひとつの動きの意味をお客さんに伝えることができないから。

今回はシアタートラムを横に使う異色の舞台装置でしたが、客席と舞台が近かったので、迫力十分でしたね。

白井そう言って頂けると嬉しいです。とにかく今回はお客さんに「卑近な問題の芝居」として見て貰いたかったので、おおいうちょっと「小劇場」っぽい舞台にすることにしたんです。

楽日まで熟成し続ける

鈴木小手先の演技はまったく通用しない芝居なんで、内面をえぐって演じていけば楽日までにより高い演技レベルに達することができると思うんですよ。

小栗芝居の完成度形はとりあえず千秋楽だと思ってるんです。。勿論毎回、真剣にやってますし、完成なんてないかもしれないんですけど。
でも、日々、新たなる発見があるから、楽日に向けて、長〜い通し稽古をしてるような感覚もあるんです。

白井いいこと言うねぇ。。確かに芝居っていうのは「撮って終わり」っていう映像と違うから。ドンドン発展していく。だから僕も毎日見て、毎日ダメ出しして、一緒に芝居を熟成させていきたいんですよ。

小栗本当に毎日ダメ出ししますよね。

白井だって寂しいじゃない。。僕も最後まで仲間として、芝居作りに参加していたいんだよ!!

鈴木小栗・・爆笑



****白井晃さんからの旬君評*****

小栗旬を語る時、「うちに秘めた強さ」という言葉を思い浮かべずにはいられない。

 細身で 優しい面立ちとは裏腹に、一旦、自分で決めた事は必ずやり遂げるという、彼の俳優としての資質に結びついているように思える。

彼との出会いは、2003年秋の『宇宙で一番速い時計』という舞台。

内容は極めてハードなもので、恋人と自分を求めるゲイとの間で、激しく揺れ動くティーンエイジャー。

子役としては一度舞台経験があったものの、ほとんど初舞台という状況にも関わらず、まさに精神の食い争いとも言える作品の中で、彼はこの難しい役を、臆することなく真摯に演じきった

実はこの時、本番直前に恋人役が体調不良で突然降番するというトラブルがあったが、動じることなく集中力を高めて初日の舞台に立ってくれた。

全身から精気をみなぎらせた彼の姿を見てこれから楽しみだと思った。。」