蜷川氏「藤原竜也や小栗旬の後の世代をリードしてほしい


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山本裕典、蜷川舞台の主演抜てき「藤原、小栗になれる!」

若手人気俳優の山本裕典(23)が、演出家・蜷川幸雄氏(76)が手掛ける舞台「彩の国シェイクスピア・シリーズ」の第26弾「トロイラスとクレシダ」(8月17日〜9月2日・彩の国さいたま芸術劇場)の主演に抜てきされたことが分かった。山本が蜷川作品に出演するのは今回が2作目。

蜷川氏は「(以前、舞台に起用した)藤原竜也小栗旬の後の世代をリードしてほしい」と、スターダムに上り詰めた教え子に匹敵する逸材として、大きな期待を寄せていた。

 山本は2010年秋に上演された同シリーズ第23弾の喜劇「じゃじゃ馬馴らし」(主演・市川亀治郎)にも出演している。蜷川氏は「いい演技をするし、明るくて、アイデアも出してくる。おびえのないところが面白い。今度は悲劇で苦しめてやろうと思った」と評価。今回、主人公トロイラス役に抜てきした。「千本ノック」といわれる“名物”の1対1の特別げいこにも意欲満々で、山本と久々に会った蜷川氏は「男っぽいから大丈夫だろう」とニヤリと笑った。

 「トロイラスとクレシダ」は、トロイ戦争でギリシアと敵対したトロイの王子トロイラスと恋人のクレシダの悲恋を中心に、戦争における男女の愛憎を描いた悲劇。トロイラスのセリフは「じゃじゃ馬―」の2倍以上となる537行にも及ぶが、山本は「覚えるのは大変だし、千本ノックも怖いけど、不安より期待でいっぱい」と、受けて立つ構えだ。

 蜷川門下生からは多くのスター俳優が巣立っている。蜷川氏は山本についても「自然な演技はできるから、悲劇特有の朗々としたセリフができたら鬼に金棒。藤原や小栗シェイクスピアで苦労した後、頭抜けてきたから、次の世代のトップランナーになってくれれば…」と期待は大きい。今回は男性キャスト限定の「オールメール・シリーズ」の6本目で、「オールメールでは、まだ海外はないから行ってみたい」と、蜷川氏は山本との世界進出も目指している。

 2005年の「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で芸能界入りした山本。「いつまでも『イケメン俳優』とはいわれたくない。同世代の中でもいち早く『実力派』といわれるようになりたい。この先、10年、20年もこの仕事で食っていきたいので…」と夢を語る。けいこは7月10日から。役者人生を懸けた挑戦が始まる。