小栗旬。。あかいくらやみ〜天狗党幻譚〜


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小栗旬 ざわざわした気持ちや熱…発見ある舞台めざす

産経新聞 5月14日(火)10時27分配信

 作家、山田風太郎の時代小説「魔群の通過」が舞台になった。「シアターコクーン・オンレパートリー2013+阿佐ヶ谷スパイダースあかいくらやみ〜天狗党幻譚〜』」(長塚圭史作・演出)だ。長塚脚本は、時間と場所を飛び交う奇想天外な物語。主演の小栗旬(30)は「ざわざわした気持ちや熱みたいなものを感じて、何かを発見してもらえる舞台にしたい」と話す。
 小栗が長塚と出会ったのは平成18年、雑誌の対談だった。以来、「人間に興味を持った。凝り固まっていない感じとかカッコいい」と、長塚と舞台をやりたいと口にし続けていたという。

 「脚本を読んだとき、あの原作がこんなことになるんだ、いい意味で乱暴だなあと思い面白かった。今まで経験してない現場。普通では読み解けない、長塚さんの集大成のような作品」と話す。

 「魔群の通過」は維新前夜、尊皇攘夷の志を胸に決起し、京を目指した水戸藩天狗党の大遠征を描く。舞台では天狗党の残党「さいみ党」の復讐劇を中心に据えている。先の戦争の直後、復員してきた青年・大一郎(小栗)と戦争未亡人の奈生子(原田夏希)は、奇妙な老婆(白石加代子)のいる温泉宿で、さいみ党の武田金次郎(小日向文世)らが繰り広げる復讐の時代へとのみ込まれていく…。

 「時空が飛ぶパラレルワールドでありながら、その先は、まっすぐに続く“命”というテーマにつながっていく。正直、この作品でどんな力を残せるかは分からない。ただ、“今”の一喜一憂しか見ず、前を向いていない現在の日本や日本人に、何かを感じてもらえるのではないかと思う

 イケメン俳優から本格俳優へ。映画監督に挑戦する一方、俳優としても硬軟織り交ぜながら果敢に攻め続けている。

 「稽古中、『おじいちゃんの名前を両方言えるか』という話になって、はっとしたんです。祖父母がいて、両親の出会いがあって、自分がいる。人間の不思議を感じています。軽やかなドラマもメジャーの映画も単館作品も舞台もやって、10年以内に、誰もが知っている圧倒的な存在の俳優になっていたい」

 26日まで、東京・渋谷のシアターコクーンで。

 問い合わせはBunkamura(電)03・3477・3244。(田窪桜子)

 小栗旬おぐり・しゅん) 東京都出身。ドラマ「GTO」「花より男子」などで人気を集める。近年はドラマ「獣医ドリトル」「リッチマン・プアウーマン」、映画「岳−ガク−」「宇宙兄弟」などに出演。舞台も多く、「宇宙でいちばん速い時計」「ムサシ」「髑髏城の七人」など多彩なジャンルに出演している。