LiLICoオススメ「肉食シネマ」 小栗旬の渾身作! 犯人はアーティストなのか? 『ミュージアム』


http://netallica.yahoo.co.jp/news/20161121-88700015-jitsuwa

2016/11/2114:00 週刊実話

 お仕事お疲れ様です! 季節は本格的に冬に向かっていますね。昼夜の気温差に“スウェーデン人もびっくり!”って感じです。

 今年の始めに、とあるレストランで友達とご飯を食べていたら、小栗旬さんにたまたま会いました。「LiLiCoさん、命を懸けて作った映画がありますのでぜひ見てほしい」と…。そう言われたら「必ず見ます!」という気持ちになりますよね。「公開はいつですか?」と尋ねたら年末と言われ、そのときは、まだまだすご〜い先だと思っていたのですが、もうその時期がきた(笑)。本当に1年は早い…。
 当然、私は誰よりも早く今回の映画を見に行きました。小栗旬さんが言ったとおり、今までに見たことのない小栗さんがそこにいました。役作りのために家族と離れて暮らしたり、と徹底的に主人公である“刑事・沢村”の気持ちになるようにしたそうです。

 沢村の敵である猟奇的な殺人犯は、雨の日にだけ現れる“カエル男”。犯人の存在感にも圧倒されます。自分はアーティストであると言い、ターゲットが一番嫌がる方法で殺人を犯し、現場に謎のメモを残す。『ヤングマガジン』で注目された原作のファンもたくさんいる中で、このキャラクターを演じなければいけない役者は大変! 読者のみんなにも当然、自分のイメージがありますからね。完全にとんでもない悪なのに、哀愁がどこかにあって、ちょっと惹かれてしまうのはさすがの演技です。
 カエル男を演じる役者さんの正体はしばらく明かされなかったが、最近、判明しました。ここではあえて書きませんが、私としてはずっと明かしてほしくなかった。マスコミ関係者の間でも、“あれは誰だ?”と話題になっていましたからね。
 カエル男と沢村のやりとり、殺人アーティストが死体を見せることへのこだわり、鉄臭さが伝わってくるほどリアルな彼の居場所のセットのこだわり、そして緊張の糸を切らせない展開。そう、カエル男の部屋こそが“絶望の密室”、つまり“ミュージアム”なのです。

 衝撃のノンストップ・スリラーエンターテイメントの本作は、今までの日本映画のサスペンスとは一味違います。上質なサスペンスでありながら、世の中のお父さんたちに向けたメッセージが含まれていて、作品から得ることは深い。そして、見終えたらすぐにもう一度見たくなりますよ。

画像提供元:(C)巴亮介/講談社 (C)2016映画「ミュージアム」製作委員会

■『ミュージアム
監督/大友啓史 出演/小栗旬尾野真千子野村周平丸山智己田畑智子 配給/ワーナー・ブラザース映画 11月12日(土)全国ロードショー
 雨の日だけに起こる猟奇殺人事件を追う刑事の沢村久志(小栗旬)。犯行現場に残された謎のメモや、見つけられることを前提とした死体から、自分の妻子が狙われていることを知る沢村。やがて、カエルのマスクを被った男が浮かび上がる。犯人に近づいていく沢村だったが、カエル男の仕組んだ罠にハメられ絶望的窮地に陥ってしまう。

LiLiCo:映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS「大様のブランチ」「水曜プレミア」、CX「ノンストップ」などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中