青木崇高が、小栗旬の言葉で。。。



青木崇高が、小栗旬の言葉にグッときて決めたこととは? (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

青木崇高が、小栗旬の言葉にグッときて決めたこととは?〈週刊朝日
dot. 3/26(日) 16:00配信

 青木崇高さんは俳優としての立場で発言を求められると、戸惑うことが多いという。

「むず痒いというか、(胸を指して)この辺がシュワシュワするんです(苦笑)。よく、“特殊な仕事ですね”みたいに言われますけど、僕自身は、そんなに特殊だとも思ってなくて。たとえば、舞台の本番のために稽古を繰り返すことも、一つの労働の形という認識です。労働という意味では、バイトか芝居しかしたことがないので、他と比べようがない(笑)」

 俳優とそれ以外という、仕事のカテゴリーに関してだけではない。映像と舞台、自分と他の俳優など、徹底して“比較”でものを語らない人である。俳優としてではなく、一人の人間としてどう生きていきたいかと訊くと、「たくさん“もの”を持ちたいという意識は、あまりないです」という答えが返ってきた。

「欲しいものがあるとしたら、経験値ですね。とにかく、いろんな経験を積みたい。満足かどうかを決めるのは、“もの”ではなくて、その人の心一つだと思うんです。今思えば、僕も20代で仕事がまったくないときに、バイトしたり映画を観たりする以外に、積極的に旅に出たことで自分の感情の動きに気づけた。経験って、一つでも多くの心の中の変化を感じることじゃないのかな。お陰で最近は、別に遠いところに行かなくても、近所を散歩しながら、日常のちょっとしたことにも感動できるようになりました(笑)」
 この春、豊洲に出現する劇場「IHI ステージアラウンド東京」は、客席が360度回転する世界最先端の機構を導入。柿(こけら)落としとして、劇団☆新感線の最高傑作とされる舞台「髑髏城の七人」が、“花・鳥・風・月”の4シーズンに分かれ、1年3カ月にわたってロングラン公演される。青木さんは、その第1弾となる「Season花」に、荒武者隊の頭目・兵庫役で出演する。多くの俳優が出演を熱望する作品だが、青木さんは、オファーがあったときに、「やります」と即答はしなかった。

「そもそも、どんな仕事であっても、即答するタイプではなくて(苦笑)。毎回、どんな作品かとか、どんな座組かとか、ある程度まで理解した上で、やるべきかどうかを考えます。『髑髏城〜』も、まずは前作のDVDを見せてもらって、新感線の舞台に出演経験のある人に相談してみたりしたんですけど、小栗(旬)くんと食事をしているときに、『客席が360度回転するステージなんて、すごく挑戦的な作品になるはずだし、柿落としの舞台に立てるチャンスはそうそうないから』と言われて、グッとくるものがあった。稽古は、ステージセットに未知な部分も多いから大変さもありますけど、楽しいです。しんどいこと? なくはないけど、どんな仕事も、しんどさはつきものでしょ?」

 表現者として新鮮であり続ける彼の心と身体は、絶えず躍動していた。

※週刊朝日 2017年3月31日号