カンヌの『CRISIS』小栗旬のアクションにどよめき。。✨

【ビジネスの裏側】小栗旬、西島秀俊が世界へ TVドラマは海外で「売る」時代…関テレ「CRISIS」見本市参加で手応え - 産経WEST

小栗旬西島秀俊が世界へ TVドラマは海外で「売る」時代…関テレ「CRISIS」見本市参加で手応え
ビジネスの裏側2017.5.3 07:00
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本格アクションで話題の「CRISIS」第3話の一場面。仏カンヌの国際映像コンテンツ見本市でも話題となった(関西テレビ提供)

 日本のテレビ番組など放送コンテンツを輸出する動きが加速している。平成27年度の輸出額は、前年度比58%増の288億5千万円と大幅に伸びた。今春も、関西テレビ制作のドラマ「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」が国際映像コンテンツ見本市で話題を集めるなど好調だ。インターネット配信の台頭で国内の事業環境は厳しさを増しているが、世界に目を向ければ成長の余地は大きそうだ。


レッドカーペット

 「CRISIS」は、関テレ系で4月11日にスタートした連続ドラマ(毎週火曜日午後9時から)。俳優の小栗旬さんが主演、直木賞作家の金城一紀さんが原案・脚本を担当する話題作だ。

 国家に危機をもたらすテロや政治事件を秘密裏に処理するスペシャリストたちの活躍を、躍動的なアクションとスピーディーな展開で見せる。初回の関西地区での平均視聴率は18・4%。4月スタートドラマの中で2位となった。

 番組スタート直前、出演者の西島秀俊さんはフランス・カンヌにいた。世界100カ国から映像制作会社や作品を買い付ける放送局、投資家ら約4千人が集まる国際映像コンテンツ見本市「MIPTV」のプレミア上映に参加するためだ。西島さんは現地時間の3日、レッド・カーペットを歩いた。

 翌日開かれた「CRISIS」の上映会は、客席280人の会場が満席で、西島さんも席を譲って立ち見するほどの盛況だった。スクリーンに映る小栗さんの派手なアクションにどよめきが起こり、西島さんがふと見せるお茶目な表情に笑いがもれたという。

 「これまで日本のドラマは韓国をはじめとしてアジアでは一定の需要がありましたが、今回は欧州など、今まで接触のなかった国のバイヤーからも声をかけてもらえた」。関テレの岡田美穂・コンテンツビジネス局長は、世界市場での手応えを話す。

世界で戦える

 関テレが国際的な見本市で、プレミア上映を行うのは今回が初めて。きっかけは岡田局長が昨年秋、参加した国際的な映像コンテンツの商取引の現場をたずねたことだった。

 在阪の他局、朝日放送読売テレビもそれぞれ、看板番組の「探偵!ナイトスクープ」や、アニメ「名探偵コナン」を売り出す大きなブースを設けていた。

 「テレビ局にとってここ10数年、放送外の収益をあげることが課題でした。これまでは番組のDVD化などの事業を行ってきましたが、ネット配信の台頭もあり、その収益は右肩上がりとはいえません。新たなビジネスチャンスとして海外市場があると感じました」と岡田局長は話す。

 大阪のテレビ局は準キー局とも言われるが、自主制作の番組を見てもらえる地域は限られている。だが「海外に出てしまえば、日本の東京も大阪も関係ない」と岡田局長は実感した。「コンテンツの制作力があれば世界で十分戦える」

訪日客誘致も期待

 政府も、日本文化の魅力を発信するために放送コンテンツの海外展開を積極的に後押し。海外輸出額の目標を平成30年度に200億円と設定していたが、22年度に66億3千万円だった輸出額は、27年度には288億5千万円と急伸し、目標を前倒しして達成した。

 27年度の輸出の内訳を詳しくみると、番組放送権が96億6千万円で最も多く、次いでインターネット配信権が前年度比約2・5倍と急速に伸びて85億7千万円。ジャンルでは、アニメの輸出が7割以上占めており、バラエティーが10・8%、ドラマ10%と続いた。

 総務省は今年4月10日、新しく32年度に輸出額500億円とする目標を発表した。同省の担当者は「放送コンテンツは日本の新たな資源としてだけでなく、訪日客を誘導する大きなきっかけにもなる。助成金制度なども設けており、海外展開を後押ししていきたい」としている。