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“笑いの世界”を生きる。小栗旬菅田将暉が語る映画『銀魂
(2017/07/21更新)

小栗旬菅田将暉

小栗旬菅田将暉。20代半ば、そして30代半ばという、それぞれの世代を代表するふたりが、メインキャストで共演を果たした『銀魂』。「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)連載の空知英秋の大人気漫画を原作に、福田雄一監督が築き上げたパロディ、ボケとツッコミに満ちた笑いの世界をふたりはどのように生きたのか?

菅田は小栗について「小さい頃からずっと見てきたひとであり、役者として出会ってからも、いろんな分岐点で毎回、背中を押してくれた人です。生き様ですよね……。(小栗が出演した)『情熱大陸』を見た時の衝撃……生き様に嫉妬します」と語る。

その小栗は菅田を「いま一番勢いのある若手で、才能もあるし勉強もしている」と称賛した上で、さらに菅田の持つこんな“特質”を「僕には絶対に手の入らないもの」と羨望を込めて語る。「関西出身の人って、常に面白いことを求めて、話に必ずオチをつけずに終わらせちゃいけないって思ってる。それは現場で嫉妬しますね。頭の構造がすでにそうなってるから『どうしたら面白いか?』『何が面白いか?』って考える素養が常にあるんですよね」

そんなふたりが『勇者ヨシヒコ』シリーズや『スーパーサラリーマン左江内氏』など、次々と話題作を世に送り出している、日本のエンタテインメントの笑いを引っ張る福田雄一作品で共演。しかもその他の共演陣には、中村勘九郎堂本剛長澤まさみ柳楽優弥、そして福田作品に欠かせないムロツヨシ佐藤二朗など、これでもかという豪華かつ濃いメンバーが名を連ねる。

小栗は現場を「文化祭を迎える前日、前々日のようなムードだった。変なテンションで放課後なのに、誰も家に帰らない感じ(笑)」と振り返るが、その現場のムードの中から生まれたものがたくさんある。「僕と菅田くんと福田さんが『銀ちゃん(※小栗が演じる坂田銀時)が主題歌歌ったら面白いかもね』とか話してたら本当に実現したり、『銀魂音頭でギンギンギン!』とか歌ってりゃいいじゃん! って言ってたら、本当に銀魂音頭ができて予告編で使われたり……(笑)」

菅田は銀時、自身が演じた新八と共に行動する、神楽を演じた橋本環奈のコメディエンヌとしてのポテンシャルの高さに度肝を抜かれたという。「こんなにも鼻をほじるのが似合うとは……(笑)。実はこのメンバーの中で、人間として一番おかしい! 正直、他のみなさんが面白いってことは知ってるし、ある種、現場にいてもショーを見るような感覚でしたけど、橋本環奈は予想外」

小栗も菅田の言葉に強く同意。「あれで10代ってのが信じられない。ある種、達観していて自分を俯瞰で見ているようなところもあるし、毒も強めで(笑)。そのままいると、メチャクチャかわいいあのビジュアルで……。ものすごい女優に化ける資質を持った、なかなかの化け物です」とうなずく。

映画では原作のテイストを生かしつつ、映画ならでは、そして福田作品だからこその多様なギャグが至るところに散りばめられている。先述の橋本環奈しかり、各俳優のコメディに対するセンス、ポテンシャルがいかんなく発揮されているが、意外にも小栗は「僕は“おもしろ”に関してはわかんないんです」と明かす。「古田新太さんから『芝居に正解はないけど笑いにはある』と言われたことがあるんです。この間で言えば、お客さんが笑ってくれる仕組みになっているということが、お芝居ではある。逆にその間をつかめず、勢いやトーンが出ないと、笑ってくれない。難しいところで、それが僕にはわかんない。だから、そこは現場で福田さんに聞きました。俺はわかんないんで、福田さんの間で『これだ』というのを教えてほしいと」

一方、“関西人”菅田は「お笑いは大好き」と語るが、やはり演じる中で“お客を笑わせる”というのが決して簡単ではないことは実感している。「芸人さんの笑いとコント、僕らの芝居の中でのコメディって全然違いますし。ただ、福田組の現場に入るときに気を付けているのは『大きな声を出す』ということ。とりあえず、大きい声を出していこうって考えてます」。

時代を引っ張る演技派のふたりが、コメディでもそのセンスの高さを見事に発揮していることを『銀魂』で確認してほしい。

銀魂
公開中

取材・文・写真:黒豆直樹