「TAJOMARU」。。3

直光が藪の中で気絶している間、何が起きたのか。。藪の中。。。

芥川龍之介の「藪の中」と 基になった今昔物語の巻二十九の事はコチラで。。載せてます。。
http://d.hatena.ne.jp/sanahanna/20090731/p4


コレは。なるほど。。と。。深くて面白い捉え方をされている方の感想とマイナス点を。。
ちゃんと観てくれた方の評価は いいものも。。悪いものも。。アリだと思います。。

そこの部分は。。他所でも同様な感想を 見掛けたので。。
私の偏見もあるかも知れない感想も最後に書かせて頂きました。。

ご覧になられた方へ。。又はネタバレOKの方だけ。。 

一部コピーさせて頂きます。。 


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原作「藪の中」は文字通り「藪の中」なのだけれど、ここでは「藪の中」があちこち散りばめられ、しかも藪の中からの脱出が図られていること

まず畠山直光(小栗旬)が藪の中で多襄丸(松方弘樹)の刀をも両断する波切の剣で圧倒され、木を失い、気絶している間、何が起きたのか藪の中という正統派藪の中。

貴人の直光が盗賊に、盗賊の桜丸(田中圭)が直光になりおおせ、やがて直光が自らの意志で多襄丸になってしまうこと。

周りの者たちは藪の中状態のはずなのにあたかも藪の中でないかのように振舞っていること。

死んだ大納言の持っていた金塊が藪の中で、行方不明なこと。
これは後々居場所が明らかになる。

そして、これまで「藪の中」状態だった阿古姫役の笑わん姫柴本幸の表情に仄かな光のような笑顔が出たこと。

今までの柴本幸は般若のような能面だった。今回も、可愛い子役の阿古姫がいきなり成人した般若顔の柴本に変わった時は、違和感横溢なのだけれど、それが終盤になって藪が刈られて来るように表情が出て来る
地獄谷に落ちた時は正に般若、というか幽霊のようで却ってはまり役じゃないかと思えたが、地獄を見たため逆に憑き物が落ちたのか、写真↑のラストシーンの表情は母親の真野響子の片鱗が出ている。これが柴本の脱皮のきっかけになるかどうか。

で、一番大きな「藪の中」は最高権力者足利善政(ショーケン)の心の中。義政の目が見えないのは正に「藪の中」の化身であることを表しており、権力の保身と無常観がないまぜになったようなニヒリズムに満たされている

自分のような立場になると色々な情報が一杯入ってくるが、何が正しく、何が間違った情報なのか分からない、ただただ己の「正義」で判断する、と言い放つ
いちいち善悪、正誤など判断するのもかったるい、藪の中なら、正邪見境なく焼き払えと言わんばかり。己の正義だけ大切にする、後は知らん、という居直りによる脱却だ。

一番ツッコミ的藪の中は、直光と桜丸の決闘で直光が使う多襄丸直伝の波切の剣が桜丸の刀を切断できないこと。
切断してしまうと決闘が長続きしない事情でそうしたのなら痛い。長ければいいものではなく、むしろ一瞬で勝負がついていた方が一貫性があり、多襄丸という裏ヒーローの名誉でもある筈なのだが。



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面白い捉え方で。。しっかり観て下さってます。。

私の感想ですが。。

浪切の剣で。。直光の刀。。道元の刀はあっさり。。折られてしまいますが。。桜丸の刀は簡単に折られません。。

ダークホース。桜丸との闘いは。。浪切の剣の力に頼ってないところが。。私には好評価なんですけどね^^。。

桜丸の身体を切った=他の刀でも切れる。。
=お互いの剣の技。力による戦いにしたのだと。。


殺陣のシーンが長い。。という意見もあったりしますが。。

それも。。

景時。信綱。。道元。鉄。鷹。猿。他の家臣達。が命を奪われた程 
強い桜丸。。。

簡単に破れない。。直光も危うかった。。

大切な 景時たち(信綱。。道元。鉄。鷹。猿。他の家臣達。。)を奪われた許せない想いと。。桜丸の覚悟。。簡単に勝負がつかない。。

最後は多襄丸の許せない想いが。。より勝ったと。。
(監督ではなく。。アクションコーディネーターの諸鍛冶さんのアイデアで。。^^。。ANNの中野監督の話より。。)

私的にはですが。。よく出来ているなと。。^^